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「日本人の知らない『クレムリン・メソッド』世界を動かす11の原理」を読んで

この本を読むと、世界に対する見方が変わります。
著者は北野幸伯(きたのよしのり)氏。

ゴルバチョフ時代のソ連を見てやろうと、
1990年、19歳のときにモスクワ国際関係大学に入学し、
気がつけばそのまま25年間もロシアに住んでしまった、
というお方です。

ロシアが居心地良かったというよりも、
彼の地で身を固めたのかもしれません。

というのは、表紙の写真が
「撮影:ナターシャ・キタノ」
となっていたからです。

これは「ヌヌヌ」ですね。

我々の同業者にも異動先の田舎病院で結婚し、
そのまま居ついてしまった、という人が少なくありません。

それはさておき、
「クレムリン・メソッド」というのは、
世界を動かしている11の原理を説明したものです。

我々が無意識に「世界」と思っているのは、
実は英語圏での情報でありニュースです。

ロシアにはロシアの情報やニュースがあります。

しかし英語圏でもロシアでも、
トップの考える世界を動かす原理は共通しているそうです。

ネタばれになるので11全部を挙げるわけにはいきませんが、
1つか2つだけ紹介しましょう。

・国益とは「金儲け」と「安全の確保」である

金力(経済力)と腕力(軍事力)が物を言う、
というのが世界の現実だということです。

もちろん
「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」
が可能なら皆ハッピーなのですが、
諸国民が平和を愛してもリーダーたちには公正も信義もなし。

そう言われればそんな気もします。

もちろん経済力も軍事力もない小国の方が多数派で、
そのような国が生き残るためにはどうするべきか、
ということも論じられています。

・「基軸通貨」を握るものが世界を制す

世界一の借金大国である米国がなぜ潰れないのか?
それは米ドルが基軸通貨だからです。

極端な話、他国から支払いを求められたら、
紙に印刷して「ホイ」と渡せばそれで済みます。

フセインは石油の決済をユーロでしようとして、
米国の逆鱗に触れて戦争を吹っかけられたのだとか。

ほんまかいな。

おまけというわけではありませんが、
・なぜ日本が太平洋戦争に突入してしまったのか
ということについても北野氏の説が紹介されています。

確かに、争いごとを極端に嫌う日本人が、
なんで圧倒的軍事力をもつ米国に喧嘩を売ってしまったのか、
これは私にとって長い間の謎でした。

読者の皆さんにとっても謎だったのではないかと思います。

北野理論では以下の段階を踏んでいるそうです。

1905年
 英米のバックアップを受けた日本が日露戦争に勝利する
 小村寿太郎が米国との間の桂・ハリマン協定を破棄した
 ⇒ 南満州鉄道共同経営を期待していた米国を激怒させる
1907年
 米国が対日戦争計画「オレンジ・プラン」の策定開始

1914年
 第一次世界大戦開始
 英国からの陸軍派兵要請を日本は断る
 ⇒ 国家存亡の危機にあった英国を失望させる
 ⇒ 同盟国ではない米国が英国を全力で支援した
1921年
 日英同盟が破棄が決定される

1932年
 「満州国」建国
 国際連盟理事会にて中国代表が田中上奏文を読み上げる
 田中上奏文は世界征服計画書であるが、偽書とする説が有力
 ⇒ 中央日報もニセモノ認定しているが、中国代表は真贋関係なし
1933年
 「満州国」を巡って世界と対立した日本は国際連盟を脱退する
1937年
 日中戦争勃発
 ⇒ すでに中国は英米露から支援を受けていた

勝てるはずおまへんがな!

ということで、北野氏の主張もなかなか有力な説だと思います。

「クレムリン・メソッド」は繰り返し読むに値する本だと思います。
皆さんも是非どうぞ!



日本人の知らない「クレムリン・メソッド」-世界を動かす11の原理
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# by ShinNakajima | 2015-10-25 06:00 | 読書